プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃の分泌腺にある壁細胞に対して直接的な作用を齎し、その働きを阻害する事により結果として胃酸の分泌を抑制する目的で使用される薬剤の総称です。同様の目的で使用される薬剤にはH2ブロッカーと呼ばれるものがありますが、比較するとより作用が直接的且つ強力であり、用量にその効果が依存するものの持続性が高いという特徴があります。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は稀に肝障害等の副作用が見られるものの、基本的に症例・程度共に少ない薬剤であると考えられている事から、胃腸障害全般において世界的にその処方が進んでいます。日本においては、逆流性食道炎・胃若しくは十二指腸の潰瘍・ピロリ菌除菌において内服のものが処方され、処方量が指定の範囲内であれば公的医療保険適応の対象となります。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)はその作用過程から、胃酸分泌を促す食事と同時の使用が効果的とされています。また持続時間の長さから、就寝時等の夜間に症状が強く出てしまうタイプの逆流性食道炎の症状緩和においては特に効果的とされています。但し日本においては保険適応との兼ね合いから用量が制限されがちで、第一選択の薬剤としての地位を確立しつつも症状によっては他の薬剤との併用処方が一般化しています。海外においては既に高用量での処方と安全性を確立している実績もあり、今後は日本においても臨床実験等を通して用量の増強が認められて行く可能性はあります。
また症状によっては服用回数を増やして薬剤を小分けに使用する事により、効果が増強されるという臨床報告も上がっています。使用においてはまだまだ工夫の余地がある薬剤であると考えられており、今後の臨床の成果と共にその活用が期待されています。